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2014年9月 8日 (月)

能登半島一周300キロの旅。 後編。

 
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人はなぜに大地の果てに、悲しみを捨てに行く…。


来てしまいました。能登半島最先端、禄剛崎(ろっこうざき)灯台。

そこそこ観光客はいましたが、自転車でここまで登ってきたのは私だけです。

まあ、ここに至るまでの道は狭く、他の方に迷惑なので自転車を押して登ってきましたが。


だいぶ雨が降ってきました。先を急ぎます。


たちまち豪雨になりまして、この後あまり写真がありません。

何しろ前もよく見えません。海側にガードレールも何もない区間も多いですので、うっかりしてると海に落っこちそうです。

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途中の集落にバス停があって雨宿りでお邪魔します。冬雪が多いでしょうから、結構しっかりした造りです。


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見附島、別名軍艦島。だいぶとがっています。

弘法大師がこの地を訪れた際、最初に目を付けたからこの名になったと伝えられています。

弘法大師って、ホントにどこにでも行ってるね。全国各地に弘法大師ゆかりの名所がありますが、ひとりで周りきれたのかな?実は30人くらいいたんじゃないのか?あと義経も。


しかし、今日の目的地、穴水までのあいだ、あまり集落がなく雨宿りするところがほとんどありません。

ちょっと補給したり、ルートを確認することもままならず、どうしようかと思っていると…、

やや海から離れた山の中に廃屋を発見。車庫のような納屋のような建物があり、絶好の雨宿りポイントです。

びしょびしょでほうほうの体でそこに逃げ込み、ルートを確認していると…、

「ワンワンワンワン!」と突然犬の鳴き声が。

一匹の犬がすごい剣幕でこちらに走ってきます。

首輪をしていロープも付いています。たぶんこの廃屋の持ち主が、廃屋とはいえ中を荒らされたりしないように犬をつないでいるんですね。

ロープもしてるし、結構遠かったので、まあここまでは来ないだろうとタカをくくっていると…、

ロープが異常に長い!まだまだ全然余裕があります!

「やばい!」と思って走って逃げます。犬は噛む気満々で吠えながら迫ってきます!もうふくらはぎに犬のヒゲが触ってるよ!

「もうだめか?!」と思った時、ロープがピーンと張り、犬はそこまで。悔しそうに吠え続けています。

危なかった…。間違いなく噛まれるところだった。一安心、一安心…。


ん…?いや、違うな…。


荒れ狂う犬の向こうに、私の自転車がポツンとあります。完全に奴のテリトリーの中です。


犬 「ワンワンワン!ワンワンワンワン!」
私 「……………。」
雨音 「ザアァァーーーーーーー…」

犬と自転車と私…。雨に包まれ、永遠のような時が経っていきます。



「餌付けだな…。それしかないな…。」

ザックから食料を探します。カロリーメイトチーズ味とソイジョイブルーベリー味。どっちを食べてくれるだろう…。

犬は鼻が良いから、チーズ味はキツイかな?ソイジョイでいってみようか…。

ソイジョイを小さく割って投げてみます。最初は怪しんでいましたが、食べました!

「もっと欲しいかい?まだまだあるよ。」

少しづつ与えながら犬に近付きます。

「いい子だいい子だよしよし…」

しょせんは飼い犬。もう手から直に食べます。一生懸命撫でてあげます。

まるでムツゴロウさんみたいに抱きかかえるようにして撫でながら、中腰でじりじり、じりじりと自転車に向かっていきます。

やっと自転車のそばに来ました。

「よし、じゃあ残りのお菓子はあっちに投げるからな。あっちだぞ。投げるよ!それ!」

とソイジョイを投げると、犬は一目散に追いかけていきます。

その隙に自転車を担いで一目散。奴のテリトリーから脱出します。

今度こそホッと一息。すると犬がもう食べ物はないのかという顔で帰ってきました。

「もうないよ!かりそめの愛情なんだよ!」と言い放ちます。豹変です。


なんやかんやで穴水に着きました。もうびしょびしょの上に、雨に濡れた犬臭い…。

予約しておいた宿舎のフロントへ。うっかり自転車の旅と言っておかなかったのでその姿に驚かれます。

フロント係り 「びしょびしょですね!あ、タオルどうぞ!とにかく拭いてください!あーあ、床がびしょびしょ!」

…すみません。

予約してなくて飛び込みだったらさっさと追い払われてるな…。

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雨の穴水湾。写真で見ますとわかりずらいですが、相当降ってますよ。

幸いこの宿舎、海を臨む大浴場があり、さっそく体の犬エキスをきれいに洗い流し、温まることができました。


さてこの穴水、人気の大相撲力士、遠藤の出身地なのです。

Images
いたるところに遠藤の等身大パネルがあります。地元の大スターです。

宿舎には夕食のサービスが無いので、タクシーで穴水市街まで行くことにしました。

フロントでタクシーを頼むと、フロント係りの方が

フロント 「お客さん、実は昨日、遠藤が里帰りしてたんですよ!」
私 「へえ、そうなんですか。いやあ、ひと目見たかったなあ。」

タクシーに乗ると

運転手 「実はお客さん、昨日ね、遠藤が帰ってきたんですよ!」
私 知ってますとも言えないので、「おお!そうなんですか!」

夕食を摂りに寿司屋に入ると

主人 「お客さん、実は昨日ね、遠藤が…」
私 「…へ、へええ!ホントですか?!」


この町の話題は遠藤しかないのか?まあ、ないんだろうな…。(失礼。良い町です。)


だいたい、さっきの遠藤の等身大パネルもあちこちにあふれているので、中には趣向を凝らして顔の部分をくりぬいて顔出しパネル風にしてあるものもあります。

でも顔くりぬいちゃったら誰だかわからないよ!単に自分がずいぶん太った姿になるだけじゃん!趣旨がよくわかりません。それだけ遠藤一色です。


朝、穴水を後にします。

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穴水駅。この先の表示が塗りつぶされているのは、もうずいぶん前に廃線になったからです。

この日、北陸地方は大変な豪雨。

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電車はどこかもわからないところで何度も止まります。


時刻表をそのたびに見返しますが、午前中の時点でこのまま青春18きっぷを使い鈍行だけでは前橋に帰れないことがはっきりしました。

しかたなく、直江津から越後湯沢までぜいたくして特急を使います。


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特急自由席の輪行は皆様の邪魔になりまして肩身が狭いです…。

空いててよかったのですが、車内販売のワゴンが通るたびに自転車を持ち上げなくてはなりません。申し訳ございません。

前橋駅に着くと、雨は降っていませんでした。


自宅に帰りついたところで、距離計はちょうど300キロ。

天候には恵まれませんでしたが、楽しい旅でした。


あとから聞いたのですが、能登は一年を通じて天候不順の日が多く、年間の落雷件数は雷でおなじみの前橋市より多いそうです。

なぜなら冬も落雷が多いからだそうです。誰もいない海岸線で雷に打たれて海のモズクにならずによかったよ…。






















 

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コメント

お疲れ様でした。

としか、言えないですね。

 おかえりなさいませ。

 羽咋のUFOミュージアム?は
私も前を通ったのですが、あまりにも
怪しい宇宙人人形のため、素通りして
しまいました。残念。orz
 能登は実は日射量は安定しないんですよね。
1992年にソーラーカーのイベントが開催されて、その
コースが千里浜なぎさドライブウェイだったのですが、
(今思えばバブルそのものですね)今春、
再度訪れてみて、宿の人に、能登は
天気悪いから、ソーラーの発電とかは
期待できないんだよね、と言われて、
”ああ、あれは「大人の」イベントだったんだ”と
思った次第。当時の当日はたまたま
どピーカンでしたけどね。

 赤城のスタート前にお会いするのを
楽しみにしています。今年は最後尾の
7:45スタート組です。(*。*)


あこがれ様、コメント誠にありがとうございます。

無事に帰って来れました。なんとか生きていますcoldsweats01

たて様、コメント誠にありがとうございます。

特に今年は天候不順で、珠洲市の塩田も塩の生産量が少なく大変だそうです。

また機会があれば、青い空と青い海を見続けて自転車に乗りたいものです。

今回は全てが灰色でした。


もう、赤城が近いですねえ…。あまり練習しておらず、どこか遠くへ逃げてしまいたい気分です…。

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